泣きたかった訳ではない。泣けてきた訳、期待が大きくはずれたようだったから。悲しいんだか、悔しいんだか。それともただ憎いんだか。心悲しいんだか。
やつらも、泣いた...と...思う...いや...やつらは泣けないのだ。やつらには涙がない。涙腺どころか、眼さえない。やつらはただ感じるんだ。感覚は持ってる。それが単純なものではない。鋭いのだ。知性チックなんだ。なにせ、心臓と脳、感情と理性を行き来してる。やつらの方がつらいはず。泣きたいだけ泣けるのと泣くことが許されないのと、両方を往来してる。どっちかの見方ができない。どっちにも運ぶんだ、命を...やつらの使命なんだから。
パソコンの画面に表示されたメールを前にして、繰り返し何十回読んだことか、心が折れそうになり、そのせいで眼が碌に涙ぐむこともなく、乾いてきた。見据えるつもりだったのか、無意識に瞬きしなかったからだ。そっか...送ってこなくてもいいメールだったんだ...返信しないでおけば良かった...動揺しちゃって!!...心臓がパクパクしてたじゃない!!...ホントォ笑っちゃう...可哀想な人...持ち主、やつらの...まったく。
やつらはオモッテル、きっと、くそ下手な恋らしきものに付き合ってられるかっ..つうの...草臥れるわっ..つうの...頭と心臓、痛くて当然だっ!! やつらは、怒りの面しながらもゲラゲラと...嘲てる...止まってやろうかって。